【本質の表現】人気フローリストが高い期待値を超えていく為に意識していること。 - aruci

【本質の表現】人気フローリストが高い期待値を超えていく為に意識していること。

日本の職人のこだわり【vol,2】


ものづくりの集団「waji」の職人向けプロダクトライン「aruci」のカメラマンが「日本の職人のこだわり」をテーマに各地の魅力的な職人を直撃、紹介していくシリーズ第2弾。

今回は、人気フローリストFUNDERLUXEの飯田氏に「高い期待値を超えていく為に意識していること」を聞いてきた。

人物紹介


飯田 諭史

大阪を拠点に国内外でフローリストとして活躍。作品を見れば一目で分かるセンスの良さ、創り上げる世界観で魅了し、多くの支持を集める。

事業内容


ーーーーインタビュアー(:以下略)
本日はよろしくお願いいたします。

飯田氏(:以下敬称略)
よろしくお願いします。

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まず初めに事業内容について教えてください。

飯田
社名は、株式会社FUNDERLUXEという会社で、3つの事業展開しております。

【お花部門】 LUVONICAL flower works(ラボニカルフラワーワークス)というショップ事業と、外部の施工チーム【ブライダル部門】 「花ノ結婚式屋」というウェディングのプロデュース事業【フォト部門】 大阪の本町にはスタジオを構えフォトグラファーが在籍しフォト事業になります。

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3つの部門の関係性について教えてください。

飯田
ラボニカルフラワーワークスがベースの会社になるので、お花を中心に事業発展し、お花を活かしたブライダルをプロデュースをしたり、お花を活かしたフォトプランを提供しています。

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3つの事業の親和性、強みはなんでしょうか。

飯田
フォトプランにおいてもフローリストが、現場で臨機応変的にスタイリング、ブーケ、装花をアレンジするのでライブ感が強い事が他にはない強みです。また、お花という生物を扱っている以上ロスが出てしまうのですが、この3つの事業を一緒に行うことで、ロスを減らし最後までお花を大事にしています。何よりもフローリストが創り上げる世界観が強みだと考えています。

世界観の基礎となったキャリア


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instagramでも多くの支持を得ていらっしゃいますが、どのようなキャリアを歩んで来られたか教えてください。

飯田
フローリストとしては少し特殊な歩みをしています。新卒で入社したお花屋さんは、業界で企業規模が一番大きい会社でした。8年程勤める中で京都を中心としたブライダルの現場で凄く忙しい20代を過ごました。その中で技術の基礎と、考え方のベースが作り上げられたと思います。

28歳の時に日本でオリジナルウェディングを広めた会社とご縁があり、当時マネージャーをしている店舗も管理しながらその会社のお仕事もさせていただいていました。オリジナルウェディングは、一般的なウェディングと異なり、会場探しから始まり、ゼロから会場を創り上げるスタイルなので、ゼロから作る力を凄く身につけました。

30歳の時に、オリジナルウェディングの会社に完全に移籍したんですが、移籍してからの4年半ほど在籍した期間は、実はお花は扱ってないんですよ。

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フローリストではなかったということでしょうか。

飯田
はい。フローリストではなくアートディレクターとして働いていて、空間をディレクションする側の人間でした。本当にゼロから作るので、全てのビジュアルのしつらえを、僕が絵を描いて、必要なプロップスを集めて、そこにお花屋さんと打ち合わせをして、一緒に現場を作る仕事をしたんですよ。当時7社ぐらいのお花屋さんとお付き合いがあって、創りたい世界観によってお花屋さんを選んで...という働き方をしていました。

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何故フローリストではなく、アートディレクターの道に進んだのでしょうか。

飯田
アートディレクターになったときも、どこかのタイミングでフローリストに戻ることは決めていました。フローリスト一本で歩んでいくと、どうしても自分がその環境でトップになるタイミングが来てしまいます。そうなると、自分で勉強して、自分で情報収集して、自分で考えて、という自分という枠の中でしか成長ができないフェーズが来ると思うんですが、僕はアートディレクターという立場でたくさんのトップフローリストと仕事を通して接し常に学ぶことができました。

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違う会社のトップフローリストから学んだことはなんですか。

飯田
自分が最初の会社で8年間学んだこと以外のことが現場にたくさんあって、常識だと思っていた事やとらわれていた事に気づかされる事が数多くありました。多くのお花屋さんが、決まったメンバー、決まった現場で、というのがほとんどだと思うんですけど、僕はそうやって全く知らない土地に出向いてとか、ゼロから作ることとか、たくさんの現場をこなしてこれたので臨機応変さとか、ゼロから考えることとか、他のフローリストに比べすごく鍛えられてるのかなと思います。

刺激を受けた経験


 

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他のトップフローリストの仕事を見た中で印象的な作品はありますか?

飯田
フローリストの中でも本当にシンプルにお花が上手な方もいれば、内装業務が得意な方がいたり、大きな構造物が得意な方がいたり、すごい細かいオブジェを作る人もいます。その中でも印象的なのは、7m級の作品を目の当たりにしたことですかね。7mって相当大きいじゃないですか。3階建てぐらいの高さですからね。

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一般人からするとそんな巨大なオブジェの制作がフローリストさんの仕事の範囲内であることに驚きます。

飯田
そうですよね。大工さんのような仕事もあります。一般的なイメージにとらわれない創作する力もそうやって学んできたと思います。

新しいものを常に作り続ける


 

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作品を創り上げる上で大事にしていることを教えてください。

飯田
コンセプトウェディングはパッケージ商品を売ってるわけではないので、毎回その時の新郎新婦に応じたコンセプトをプランナーやプロデューサーが作って、そのコンセプトをもとに絵を描いていきます。ですので、同じコンセプトが絶対にあってはならないし、同じ装飾や同じ空間を作らないということも大事にしています。

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新郎新婦に応じたコンセプト作りとは。

飯田
どれだけ本質に近づけるかだと考えています。表面上のことは捉えやすいんですけど、コンセプトの意味であったり、新郎新婦にお会いして感じた事をできる限り掘り下げること等が肝にはなってくるのかなとは思います。

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どのように掘り下げていくのでしょうか。

飯田
新郎新婦のお二人が「ありたい姿」のところに持っていく事が僕の仕事だと思っています。別の言い方をすると2人のブランディングに貢献するみたいな考え方です。

実の自分ってどういうふうに見られたいのか、例えばいつもの自分がいて、いつもより可愛くありたいのか、格好良くありたいのか、上品にありたいのか、ちょっと色っぽくありたいのか、自分が目指す理想があるとしたときに、そこに向かっていけるような空間を用意したりとか、ブーケを用意したりとかっていう考え方とかですね。やっぱりいつも通りの自分じゃない「ありたい姿」描けるように心がけています。

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ヒヤリングで気をつけている事はなんですか。

飯田
1時間話す時間があったら、お花の話は5〜10分しかしません。ブランディングという今の僕の考え方はお客様にも伝えた上で(最低限色合いの話とかはしますが)細かいお花の話は相手のステージではないので、新郎新婦のステージに立って人柄や感情に寄り添うヒヤリングをしています。

相手のステージに立って、自分のありたい姿を言語ができる分野で、お喋りをするように心がけています。

高い期待値を超えていく【本質の表現】


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「よしいける」と思う瞬間はどういった時でしょうか。

飯田
幸い僕のお客様はインスタを見てくれてるので、基本的にファンになってくれてる状態なんですね。これは、お仕事としてはとても取り組みやすいんですよ。昔は飯田っていう名前が売れてるわけではなかったので、会社の一個人でしかありませんでした。そうすると信頼構築ができていないところからのスタートになってしまいます。今はインスタグラムなどで作品をみてくださっていて、ある程度信頼構築された状態で、打ち合わせに臨ましていただいていて「お任せします」と言ってくださるので取り組みやすいです。自信を持って望めるというか。

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取り組みやすい」とおっしゃいますが、お客さんがファンの場合、最初から期待値が高く、ハードルは高くないですが?

飯田
それはそうです。毎回プレッシャーではあります。毎回お二人に合ったものが創れているか、今までにないものが創れているかは必ず考えていますが、デザインを進めていく段階で喜んでもらえるというハードルはクリアしています。それよりも期待値に関して言えば、新郎新婦さんの期待値よりも自分が自分に課している期待値の方が常に高いと思います。

新郎新婦さんにとっては、お花のしつらえを見る体験が初めてで新鮮なんですよ。それよりも自分自身が「新しいものをつくれているか」「挑戦できたか」という問いに応えられているかというハードルの方が常に高いと思います。自分だけでなく玄人である一緒に創っているスタッフの期待値もそうですね。

自分自身とスタッフ達が感動することができれば当然新郎新婦さんは感動してくださると考えています。

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「新郎新婦さんの期待値よりもご自身や関係者の期待値の方が常に高い」と…..プロフェショナルをとても感じました。

飯田
それでも、お披露目の瞬間に驚いていただけるかはいつも気にはなります。それでもその期待値を超えて続けてこれたし、これからも学び、チャレンジし続けようと思います。

あとがき


「お客様の高い期待値よりも、自分が自分に課す期待値の方が常に高い」という言葉が印象的でプロフェッショナルとして在るべき姿勢を学ばされた。

自身の成長の為に職を変えるという選択肢の広さは、飯田氏の作品の多様な表現力にも表れているように思う。

仕事について語る飯田氏は「高いプレッシャー」も「自身への挑戦」も楽しそうに語っていた。このインタビューで 「常に学び続ける姿勢」と「自分への期待値」を明確にする大切さを深く学んだ。

aruciの製品にいて


 
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aruciの製品について感想をお願いします。

飯田
aruciさんが掲げているコンセプト通り「機能面」と「デザイン面」両方で優れていると思います。パッとみてカッコいいです。そして、使っていくと生地感もとてもよく、水を使う仕事にも問題のない機能性がありますしメンテナンスもしやすく重宝しています。

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